第4話 009、くすぐりの刑に処す

スカール様は部下を集め、
「00ナンバーサイボーグを何とかしてぎゃふんと言わせる方はないのか」
 と部下のサイボーグマン達に聞いたところ
「とりあえず、00ナンバーサイボーグのリーダーである009を捕まえくすぐり倒すのはどうでしょうか」
「009を捕まえて、くすぐり倒すとな。うむ、いい案だ。準備はじめ」
「了解」
 と言って一瞬で消えるサイボーグマン達
 
 ーー数時間後、ある基地に手錠に繋がれた009が連れてこられて来た。
「いいざまだな?009」
「僕をこんな所に連れてきてどういうつもりだ!」
 とスカールを睨み付ける。スカールはその言葉を無視し、
「さて、では始めるとしようか」
 と後ろに控える数人のサイボーグマン達に合図を送った。合図を送られたサイボーグマン達は一斉に009に飛び掛かり、くすぐり始めた。009は息も絶え絶えにやっとのことで
「やめろ」
 という言葉を何とか言うことができた。暫くして、別のサイボーグマンがやってきて、
「00ナンバーサイボーグがやってきました」
という報告を聞くとスカールは、
「やっときたか、思ったより遅かったな。よし、009の手錠を放せ」
 と傍らにいるサイボーグマンに指示を出した。指示を出されたサイボーグマンは009の手錠を放しそっと地面に降ろした。そして、
「腹減ったろ。食え」
 と渡されたどんぶりに入った一杯の芋煮。持ったまま固まっている009に対して
「毒は入ってないぞ」とスカールは言いながら
「全員、撤収」
「了解」
 と一瞬で基地がもぬけの殻になった入れ違いに002がやってきて
 
「009無事…か。」
 と言った視線の先にはどんぶりに入った芋煮をもって呆然と座り込んでいる姿であった。
「なにやんてんだ」
 という質問に対し
「ほぇ」と間の抜けた返事をした009。
「基地爆破しておくか。めぼしいもの。何もないけどな」
「とりあえず、しておくか」

 ドルフィン号に戻り、基地を爆破させた。ただ、006が知らないうちにドルフィン号のキッチンのコンロの上に寸胴鍋一杯の芋煮が鎮座していたそうな。
 めでたしめでたし。

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